#3 イワシのバカ

上司に気に入られて絶好調のイワシ・ドナルドソン。
毎日、元気に出勤しています。

新しい環境にも慣れ、気持ちに余裕が出来たので、趣味を持つことにしたようです。
以前から興味のあった、アレを始めました。

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「キンギョ捕ったどーーーー!」

釣りです。
この町には、釣りの出来る場所が沢山あります。
コンパクトに畳める釣竿と、少しの餌を持ち歩いていれば、いつでもどこでも楽しむことが出来るのです。

イワシの自宅の敷地内にも、小さな池(水たまり?)があります。
試しに釣り糸を垂らしてみたところ・・・

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「なんかヘンなのが釣れた…」

小さな木の箱が釣れました。
(自宅なのでパジャマです)
誰かが落としたのでしょうか。
それにしても中身が気になります。まさか、大昔に埋められた金貨とか財宝とかが?!

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「…ありえない」

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町からのお願いです。
入浴剤を人ん家の池に捨てないで下さい。

釣り人を驚かせようとイタズラをする人が後を断ちません。
しかし、こういうのも含めて釣りの醍醐味だと思えれば、趣味の楽しみは更に増すことでしょう。

※"幻の世界のブリュー・バブルバス"とは、近所のスーパーでも買える入浴剤のことです。

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「ちゃっかり癒されているオレ…」

ありがたく、つかいましょう!
買うと高いですから(; ・`д・´)

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もう1つくらい趣味があってもいいかな、と考えたイワシは、絵画にも挑戦しました。
以前から「独特の世界観がある男」を自称しているイワシのこと。
芸術的な才があるかも知れません。

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「ないわ…」

ないですね…。

絵画は「そのうち気が向いたら練習しよう」ということになりましたが、
釣りは釣った魚を売って現金にする事が出来るので、実益も兼ねて続けることになったようです。
私生活が充実すると、仕事にも、きっと良い影響があるはずです。


─ある日のこと

「イワシ、いるかー?」
「あ、部長。お疲れ様です」
「ちょっとこいつを病院に届けて来てくれ」
「第一四半期収益見込…?」
「大きな買い物をして頂く話が出ているんだが、先方がウチの経営状況を心配されているんでな」
「はあ…」
「3〜5月の収益の見込みです、と言って渡してくれればいい」
「はい。あ…、どなたに渡せばいいですか?」
「ジャミー・ジョリーナ先生だ。今日は外科の医局にいらっしゃるそうだ」
「わかりました。行って来ます!」

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チャンスはきっちりモノにして行きましょう!

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「あ、イワシです。お疲れ様ですー」
「おお!渡してくれたか?」
「はい。間違いなく、外科のジャミー・ジョリーナ先生にお渡ししました」
「よーし、これで来週には商談に入れるぞ。お疲れさん!」

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きゃあああ♪ぶちょー、だいすきぃぃ〜〜♪
イワシ、またもや昇進です!

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「昇進ボーナスで何か買ってよぉー」
「ダーメ。グリル用のフライパン買うんだから」
「フライパンいっぱい持ってるじゃん!」
「いーや、まだまだだね」
「ぶーぶー」
「ぶーぶー言わないの」
「ぶちょーさん、いい人?」
「そりゃあいい人さ!」

ソーントン・ウォルフ部長なしでは、今の生活は有り得ません。
何かと面倒を見てくれるので、イワシは幸運でした。

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本を読めと言われれば、
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すぐに読む。
イワシも部長の言いつけは忠実に守りました。

初日の帰り道、先輩のジャスティン・マドリッドから言われた言葉をずっと覚えていたからです。
「彼について行けば大丈夫、君はビッグになれるよ」という一言を。

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イワシはいい人なので、困っている同僚たちを見過ごして自分だけ先に帰るような人間ではありません。
「困った時はお互い様」と言って一緒に残業することもありました。

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「イワシ、今日はまたお前にいいニュースがあるぞ」
「せんぱい、占いが趣味なんですか?それとも、めざニューの占いカウントダウン?」
「いやいや。俺、人事部だから、昇進の情報とか入ってくるからね」
「あれ?経理じゃなかったです?」
「経理から異動になったのよ」
「車、買い替えたんですね〜」
「お前が出世すると車買い換える事になってるんだよねー」
「またワケわかんないこと言ってる(笑)」

ここからイワシの出世快進撃が始まります。

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ドーン
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ドーン!

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バーン!

あれよあれよのうちに、部長に昇格してしまいました。
同僚達もビックリです。

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「濃厚かつ重厚なチーズソースと、香ばしくジューシーなベーコンの芳醇さが、口の中で舞い踊る…。
まるで君とローマの休日を過ごしているかのようだ…。
腕を上げたな、イワシ!」


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「部長、まだ美味しんぼにハマッてるんですか…?」
「名作だぞ、名作!」

立場は同じになってしまいましたが、その後も部長との関係は上々です。

イワシは部長という肩書きに満足してはいけない、と感じていました。
お世話になった人達に、恩返しもしていかなければいけない。
それに、まだ上があるのなら見てみたい、とも思いました。
そして、更に上を目指すべく努力を続ける決意をしたのです。
休みの日は図書館へ足を運ぶ事が多くなりました。
(良い本は買うと高いですしね)

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「あら、イワシさん♪」
「あ…っ、えっと…、ジャミー・ジョリーナ先生…でしたよね?」
「うふふ♪覚えててくれたのね♪」
「は、はい…えっと…先日、書類をお届けに…い、行きましたので…」
「この間はすぐ帰っちゃうんだもの。今度ゆっくり…ね?」
「えエっ?! あ、あの、は…はい!はい!」
「じゃあねぇ〜。これからオペなの〜♪」
「ど、どうも!失礼しますっ!!」

四半期収益見込の報告書を届けたジャミー・ジョリーナ医師と、図書館前でバッタリ再会しました。
なんだかいい雰囲気(?)

イワシにも春が来るのでしょうか。