#2 イワシのバカ

イワシ・ドナルドソンは、ビジネスキャリアの仕事に就きました。

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「ねむ…」

緊張のせいか、夜中に何度も目が覚めてしまったイワシ。
この日が初出勤になります。

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「意地悪な上司に当たらないといいなぁ…」

街の中心部にある職場までは、同じ職場の先輩が車に乗せて行ってくれることになりました。

プップー!

先輩が到着したようです。

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「いざ、出陣!いってきますっ!」

社会人経験のないイワシは、まず『お茶くみ』として働くことになりました。

"頑張って頑張って、いつかビジネス界の大物になってやろう。
一歩家を出たら、仕事以外には目もくれず、無心で働きまくるんだ!"

と、固い決意を胸に、家を出たイワシでしたが…

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「君はラッキーだよ、君の上司はね、うちの会社じゃ有名な人なんだ」
(せんぱい、すっごいハゲてる…)

早速、仕事以外のものに目を奪われています。

「どう有名かって?…ふふっ。それは彼を見ればわかるよ」
(モト冬樹に似てるとか?…ダメだ。頭がハゲから切り替わらなくなってる)

無心なんてどこへ行ったのやら…。

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こちらがイワシの働く企業です。
業種は何だかわかりませんが、とにかく大きな会社です。
イワシはお茶を汲んで汲んで汲みまくりました。


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上司に「カフェイン文化」という本を読むように言われました。
面倒ですが、出世のためです。ありがたく本を頂くことにしました。
ビンボー人は本を買うのも躊躇しがち。
こういう上司がいてくれると助かります。
貰える物は貰っておきたいと思います。

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「せんぱーい!」
「どうだった?初日は」

帰りも先輩が乗せて行ってくれる約束をしてました。

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「わかりましたよ。有名の意味が」
「だろう?」

"社内で有名人"なイワシの上司。
どんな人なのでしょう。

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「個性的ですよね」
「そこが彼のウリだからね」
「今日、本もらっちゃいました」
「カフェイン文化?ああ、それは読んでおいたほうがいいね」
「上司がイイヒトで良かったです」
「彼について行けば、間違いないよ。君はビッグになれる」
「ほ、ほんとですか?」
「そう信じるんだ!信じることが力になるんだ!君は変われる!」
「…せんぱい、親戚にZARDとか大事マンブラザースとかいません?」
「いや、実は昨日、ビリーのブートキャンプをやってたのさ」
「ナルホド(笑)」

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「今日はありがとうございました!」
「いいんだよ、同じ方向なんだから。また明日!」
「はいっ!」

自転車を買うまでの間は、帰りも先輩に送って頂くことになりました。

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「上司も先輩も、イイヒトでよかった…。なんか、すごい頑張れそうな気がする」

届いていた請求書を払い、軽く家の用を済ませると、イワシは「カフェイン文化」を取り出しました。

「この本が理解できれば、重役にコーヒーを出す仕事を任せるって、部長が言ってた。
重役に顔を覚えてもらうチャンスができるって事だ!」


ヤル気が湧いてきました。
どうやら彼は上司のソーントン・ウォルフから、
(頑張ってコビ売ってる甲斐あって)かなり期待されているようです。

目を輝かせつつ「カフェイン文化」を開きました。

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「すっげ つまんね…」

がんばれ。

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「ミルクとお砂糖はお使いになりますか?むにゃむにゃ…」

夢の中も仕事で一杯です。

慣れない環境で気を使う生活が続いたせいか、ある朝、15分ほど寝坊してしまいました。

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「やばいやばい!朝飯…!残りモンのマカロニチーズでいいや!」

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「ピーナツバターとリンゴとソーセージとマカロニチーズの融合…くせえ…」

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安物の冷蔵庫は、他の食べ物の匂いが移るようです。
冷蔵庫の買い替えを決意したイワシでした。

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「今日はいいニュースがあるかも知れないぞ」
「ナナコ・マツシマがオレの家に駆け込んで来て、かくまって♪とか言ってくれそうですか?」
「ナナコがタイプか(笑)」
「レイコ・タカシマでもいいですけどねー」
「悲しいな。2人とも既に"ヒトのモン"だ(笑)」
「いいんです!愛があれば、そんなのカンケーない(笑)」
「ナナコは来ないが、部長がお前のところに来ると思うよ」
「部長が?」

イワシがいつも通り一生懸命コーヒーの仕度をしていると、あの人が現れました。

「イワシは居るか?もうコーヒー出しに行っちまったかな」
「い、います!ここに」
「おお、いたか。お疲れさん。ちょっと話がある」
「は、はい」

ついて行くと、部長はイワシが毎朝掃除をしたり飲み物を補充している"社員専用リフレッシュルーム"へ入って行きました。

「ここが今の状態…つまり清潔で過ごしやすい場所になったのは、君が来てからだ」
「はあ…」
「それまでは、名ばかりの休憩室で誰も近寄らなかった」
「まあ、汚かったから…休める環境じゃないっていうか…」
「それが今や、昼になれば社員達が弁当を広げ、皆ここにコーヒーを飲みに来る」
「は、はい」
「しかし、君はもう社員の飲むコーヒーを煎れることはなくなるだろう」
「ええっ!?…もしかして、ク、ク、ク…クビとか…?」
「その能力を他の分野で発揮してもらう。明日から書類整理をしてもらうぞ」
「へ?」
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イワシ、昇進!

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「部長にお礼をしたいなぁ。昇進のこともそうだけど、いつもお世話になりっぱなしだ…」

部長を家に招待してみることにしました。
こう見えても、このイワシ、料理は人並みに出来るのです。

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「お招きありがとう」

ついに登場、一度見たら忘れられないソーントン・ウォルフ部長です。

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ひきしまった肉体。
褐色の肌。
意志の強い眉。
くの字のモミアゲ。
社の誰もが(CEOすらも)彼を「エルビス」と呼んでいます。

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日頃の感謝の気持ちを込めて、"秋のサラダ"を作ります

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「ほう、なかなか良い手つきだ」

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「秋のサラダです。お口に合うといいんですが…」

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「まったりとしてコクがあるのに、後味はさっぱり爽やかな風味が広がる…
まるで秋のイチョウ並木を君と2人で歩いているようだ」


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「美味しんぼ的なコメントありがとうございます…」

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「あのリフレッシュルームを見る前に、このサラダを食べていたなら、
社員食堂の厨房に紹介していたかも知れん」


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(あやうくコックにされるところだった…!)

そんなこんなで、部長はとても喜んでくれました。

-つづく-